鹿児島大学工学部先進工学科 電気電子工学プログラム

通信システム工学分野 永山研究室

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負屈折メタマテリアル

▶︎解説動画

 ・負の屈折の解説動画

 ・音波の負屈折の解説動画

  *赤字をクリックすると動画を視聴できます


▶︎キーワード

 @材料パラメータ・屈折・波の伝搬など

 ・ダブルネガティブ (Double Negative)

 ・スネルの法則(Snell’s Law)

 ・バックワード波(Backward Waves)

 ・周期構造(Periodic Structures)


 @レンズ関連

 ・スーパーレンズ(Superlens)

 ・エバネッセント波(Evanescent Waves)

 ・回折限界(Diffraction Limit)


 @伝送線路モデル関連

 ・右手/左手系伝送線路(CRLH Transmission-lines)

 ・バランス型・アンバランス型(Balanced/Unbalanced CRLH TLs)

 ・ディラックコーン(Dirac Cone)

 ・漏れ波アンテナ(Leaky-Wave Antennas)

 ・速波領域(Fast Wave Region)


 @その他(派生的なもの)

 ・屈折率0メタマテリアル(Zero-Index Metamaterials)

 ・人工磁気導体(Artificial Magnetic Conductor, AMC)

 など



▶︎研究背景

 概念自体は1968年に当時ソ連の物理学者であるベセラゴによって提案され(V. G. Veselago, Soviet Physics Uspekhi, 1968年), 2000年にアメリカの物理学者であるD. R. Smithらにより, 同じ周波数帯域で透磁率が負になるスプリットリング共振器と誘電率が負になる金属ナノワイヤを組み合わせた周期構造を用いて, 負の屈折を実現できることが世界で初めて実験的に示されています(D. R. Smith, Physical Review Letters, 2000年). その後はマイクロ波の研究者によって伝送線路モデルが提案され(例えば, A. Sanada, IEEE Microwave Wireless Comp. Lett., 2004年など), 研究が盛んに行われるようになります. 


 負の屈折材料とは透磁率と誘電率が共に負になる(音波の場合は質量密度と体積弾性率が共に負になる)材料を指し, エバネッセント波の増大を利用することで回折限界を超えられるスーパーレンズ(負屈折レンズ)や, 速波領域で負の屈折と正の屈折を周波数を変えて連続的に切り替わるようにした漏れ波レーダなどへの応用が考えられています.


 本研究室では, 分布定数線路モデルを用いて負屈折メタマテリアルを設計する手法を提案しており, 電磁波だけでなく音波に対しても利用できないか検討しています. 現在は電磁波と音波の両方で負屈折レンズの実現を目指しています.