鹿児島大学 工学部 先進工学科 電気電子工学プログラム

鹿児島大学 工学部 先進工学科電気電子工学プログラムElectrical and Electronics Engineering Program, Kagoshima University

電気電子工学プログラムの研究紹介

電気電子工学に関する研究は広範に渡っているため、学生が自身の興味や関心に基づいて効率的に学修が行えるように、本プログラムでは「電子物性デバイス工学」「電気エネルギー工学」「通信システム工学」の3つの履修分野で構成されています。
学部1~2年次では電気電子工学の全分野に共通する基礎科目を学修し、学部3年次からは1つの履修分野を選択して、より専門的な内容を学修します。近年、多くの大企業では、より高い専門性を身につけた大学院生の採用を積極的に行っているため、電気電子工学プログラムを卒業する学部学生の約60%は大学院博士前期課程(大学院修士課程)へ進学し、研究をさらに発展させています。

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電子物性デバイス工学分野

本分野の研究概要

環境・エネルギー問題を解決する電子デバイスの研究開発、特に太陽光発電・熱電変換等の高効率エネルギー変換デバイスの設計・作製と評価。新機能光デバイス、蓄電デバイスの開発及びその応用。高機能を有する電子デバイス、量子効果デバイス等の設計と作製。半導体・超伝導体等の電子材料の技術開発及び、その基礎物性と応用。

Keywords:太陽電池、蓄電池、熱電変換材料、透明導電体、光機能素子、半導体、超伝導体

電子顕微鏡,薄膜
高分解能電子顕微鏡を用いた薄膜の観察
レーザー蒸着,薄膜
強力パルスレーザーを用いた薄膜作製実験

堀江・野見山研究室

堀江 雄二 教授 <horie@eee>
[研究紹介]
[研究紹介動画]

「軽く柔らかい」太陽電池や蓄電池などの新しい電池を作り出すために、導電性セラミックスナノファイバからなる不織布とセラミックナノ粒子などをナノスケールで融合した材料を研究しています。

Keywords:太陽電池、蓄電池、セラミックス、不織布、ナノファイバ

太陽電池,蓄電池,セラミックス,不織布,ナノファイバ
2種類のナノファイバを複合させた不織布の
電子顕微鏡写真と曲げ試験の様子

野見山 輝明 准教授 <teru@eee>
[研究紹介動画]

現代社会において、スマートフォンや電気自動車などで、蓄電池の高性能化が課題となっています。さらに、持続可能な社会のためには、脱炭素の実現が急務であり、この1つの解決策として太陽電池による発電のさらなる普及が望まれています。我々は、大容量で高速充電できる蓄電池を開発し、これを太陽電池と組み合わせた光蓄電池の開発に取り組んでいます。この光蓄電池により、太陽光発電をより使いやすいエネルギー源として利用できるようになり、脱炭素社会の実現を促進することを狙っています。

Keywords:蓄電池、太陽電池、光蓄電池、ナノテクノロジー、材料科学

蓄電池,太陽電池,光蓄電池,ナノテクノロジー,材料科学
光蓄電池の模式図:1mm厚くらいのシートに太陽電池と蓄電池を積層して、太陽光を電気に変換して、その場で蓄電する。

青野研究室

青野 祐美 教授  <aono@eee>
[研究紹介動画]

光エネルギーを電気や運動といった別のエネルギーに変換する材料の研究をしています。最近力を入れているテーマは、炭素と窒素でできた薄い膜が可視光で動くメカニズムの解明です。また、この膜を使った新しいデバイスの開発にも取り組んでいます。

Keywords:光エネルギー変換材料、炭素系材料、薄膜、非晶質、半導体

半導体,炭素,アモルファス
可視光を浴びて動くアモルファス窒化炭素薄膜

奥田研究室

奥田 哲治 准教授 <okuda@eee>
[研究紹介]
[研究紹介動画]
[研究一直線]

本研究室では、遷移金属酸化物や有機半導体などの機能性物質に着目し、優れた熱電特性、磁気抵抗効果、新たな超伝導など未来の電子・エネルギー技術につながる新物性の探索と、それらの機能を生かした電子デバイス開発を行っています。

Keywords:

物性評価用超電導磁石
物性評価用超電導磁石

前島研究室

前島 圭剛 准教授 <maejima@eee>
[研究紹介動画]

当研究室では、半導体を中心する新材料の開発と、その電子デバイスへの応用を研究しています。具体的にはバンドギャップが大きい酸化亜鉛及びそれに関連する材料の作製を行い、透明導電膜や発光素子などへの応用を目指しています。

Keywords:半導体、酸化物、透明導電膜、薄膜作製、ワイドギャップ半導体

半導体,酸化物,透明導電膜,薄膜作製,ワイドギャップ半導体
半導体薄膜作製装置

真中研究室

真中 浩貴 助教 <manaka@eee>
[研究紹介]
[研究紹介動画]

「電波~可視光線~X線までの様々な波長を持つ光(=電磁波)を利用して、デバイス材料の評価法を開発しています。特に本研究室で考案した可視光イメージング測定法は、性能の高さだけでなく、その斬新な原理が世界的に注目されています。現在、本装置を用いた研究は、液晶パネルや光通信機器のような電気電子関連だけでなく、化学、鉱物、生体材料への応用も注目されています。

Keywords:光学技術、イメージング技術、新物質開発、電子スピン共鳴、磁性・誘電性複合材料

光学技術,イメージング技術,新物質開発,電子スピン共鳴,磁性・誘電性複合材料
可視光イメージング測定法による
材料の特性評価

電気エネルギー工学分野

本分野の研究概要

半導体電力変換装置の開発、パワーエレクトロニクスを用いた高性能電力制御装置の開発、モータドライブシステムの高効率・高性能化、電磁力変換機器の高効率化技術の開発、リニアドライブシステムの開発、電気エネルギーの供給システムの高品質化、高温超伝導回転機の開発、非線形システムの同定・制御。

Keywords:パワーエレクトロニクス、エネルギーエレクトロニクス、DC-DCコンバータ、電力変換器、スイッチング電源、インバータ、マトリックスコンバータ、瞬時電圧低下補償、統合電力潮流制御装置、風力発電システム、直接トルク制御、センサレスベクトル制御、永久磁石同期モータ、誘導モータ、自励式誘導発電機、モータ、磁性材料、磁気計測、電磁界解析、損失、リニアモータ、超伝導リニアモータ、可変界磁モータ、レアアースレス、レアアースフリー、高温超伝導、超伝導電動航空機、核融合、超伝導電力ケーブル、超伝導磁気冷凍機、非線形システム、システム同定、システム制御

リニアモータ,可変界磁,省エネ,レアアースフリー,リニアドライブシステム
省エネでレアアースフリーな
可変界磁リニアモータ
回転磁界発生装置,超伝導電動機,超伝導回転機
超伝導回転機用巻線・導体の電磁特性評価装置

川畑研究室

川畑 秋馬 教授 <kawabata@eee>
[研究紹介動画1, 2, 3]

エネルギー問題や地球温暖化などの環境問題を解決するために、電力システムの高効率化や省エネ化の実現を目指した超伝導技術の電力応用やリニアモータの産業機器応用、太陽光発電の発電量最大化などに関する研究に取り組んでいます。

Keywords:超伝導、リニアモータ、太陽光発電

超伝導,リニアモータ,太陽光発電
リニアモータの実験装置
左:リニアモータの実験機、右:インバータ

山本・篠原研究室

山本 吉朗 教授 <yamamoto@eee>

篠原 篤志 助教 <a-shinohara@eee>
[研究紹介動画1, 2]

昨今の省エネルギー化の促進に鑑み、パワーエレクトロニクスとモータ駆動を基礎とした電気エネルギーの発生・伝送・変換・制御の技術(モータ制御、発電機制御、電力制御等)に関する研究を行っています。

Keywords:パワーエレクトロニクス、インバータ、誘導モータ、永久磁石、同期モータ、風力発電

パワーエレクトロニクス,インバータ,誘導モータ,永久磁石同期モータ,風力発電
交流モータのセンサレスベクトル制御

八野研究室

八野 知博 教授 <hachino@eee>
[研究紹介動画]

対象システムを人間の意図通りに動作させることを目的とし、システム制御やモデリング手法の研究・開発を行っています。また、システム論的立場から、電力需要や電力系統台風被害の予測システム構築にも取り組んでいます。

Keywords:シミュレーション、システム同定、非線形システム

シミュレーション,システム同定,非線形システム
非線形システムの同定シミュレーション実験

川越研究室

川越 明史 准教授 <kawagoe@eee>
[研究紹介動画]

銅線よりも遥かに大きな電流を抵抗ゼロで流すことのできる超伝導線材を、電力・産業・運輸などの分野で応用するための研究を行っています。エネルギー問題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。

Keywords:超伝導電動機、超伝導回転機

超伝導電動機,超伝導回転機
左)高温超伝導線材・導体・コイルの電磁特性評価装置、(右)超伝導回転機用巻線・導体の
電磁特性評価装置

甲斐研究室

甲斐 祐一郎 准教授 <ykai@eee>
[研究紹介]
[研究紹介動画]

近年、環境問題の改善へ向けて環境規制強化が進み、産業機器や電気自動車用モータの高効率・低損失化が求められています。本研究室では、モータや使用材料の電磁気的現象の解明と損失低減技術に関する研究に取り組んでいます。

Keywords:モータ、磁性材料、磁気計測、磁気特性制御、磁気特性解析

モータ,磁性材料,磁気計測,磁気特性制御,磁気特性解析
モータコアと材料評価装置

田中研究室

田中 哲郎 准教授 <tetsu@eee>

電子機器に電気エネルギーを供給する電源回路の研究を行っています。スマートフォンで経験するように、電源が途絶えると電子機器は全く動かなくなるので、電源の研究は重要です。より小型で省エネの電源を目指しています。

Keywords:パワーエレクトロニクス、エネルギーエレクトロニクス、DC-DCコンバータ、電力変換器、スイッチング電源

パワーエレクトロニクス,エネルギーエレクトロニクス,DC-DCコンバータ,電力変換器,スイッチング電源
電源回路の実験波形と同回路の
シミュレーション

通信システム工学分野

本分野の研究概要

情報通信ネットワークを支える電子回路・LSI(大規模集積回路)・コンピュータ等の研究開発。宇宙通信技術、宇宙エレクトロニクス技術、無線電力伝送技術、小型携帯端末用アンテナの研究開発。光ファイバー通信技術、超高周波回路技術、電磁波の波面操作技術。

Keywords:マイクロ波・ミリ波工学、高周波デバイス、アナログLSI、光・無線信号処理、フォトニックネットワーク、メタマテリアル、IoT

AD変換LSI,薄膜
AD変換LSI
光ファイバー,フォトニック結晶,中空コア,伝搬モード,光波工学光ファイバーの設計・解析

福島研究室永山研究室

福島 誠治 教授 <fukushima@eee>
[研究紹介動画]

永山 務 助教 <t-nagayama@eee>
[研究紹介動画1, 2, 3, 4, 5, 6, 7]

通信技術の革新を目指して、マイクロ波から光まで、デバイスからシステムまで、基礎から応用までの研究を推進しています。特に、自然の材料にない特性を示す人工媒質メタマテリアル、光信号処理の研究に注力しています。

Keywords:光・無線信号処理、半導体レーザ、光神経回路、液晶、電磁メタマテリアル・音響メタマテリアル、透明マント、イリュージョン、負屈折レンズ、メタサーフェス、トポロジカル導波路

光・無線信号処理,半導体レーザ,光神経回路,メタマテリアル,液晶
左:透明マントの解析結果、
右:イリュージョンの解析結果

西川・大畠研究室

西川 健二郎 教授 <nisikawa@eee>

大畠 賢一 准教授 <k-ohhat@eee>

スマートフォンなどの情報通信機器には、無線通信が採用されていますが、データ処理用のアナログ/ディジタル信号変換回路や、マイクロ波帯の周波数を用いるアンテナなどをテーマとして取り扱っています。また、通信に使われる電波を、電力伝送にも用いるマイクロ波電力伝送の研究も行っています。

Keywords:マイクロ波・ミリ波工学、ワイヤレス給電、マイクロ波電力伝送、高周波デバイス実装、マイクロ波アンテナ計測、アナログLSI

マイクロ波・ミリ波工学,ワイヤレス給電,マイクロ波電力伝送,高周波デバイス実装,マイクロ波アンテナ計測,アナログLSI
LSI実装用のワイヤボンタと研究トピック

渡邉研究室

渡邉 俊夫 准教授 <wata104@eee>
[研究紹介動画]
[研究一直線]

情報通信の飛躍的な発展を目指して、新たな光ファイバーを用いた高速・大容量・長距離の光信号伝送、光信号を低消費電力で効率的に処理する中継システム、光のまま信号の経路を切り替える光スイッチデバイスなどの研究を行なっています。

Keywords:光通信工学、フォトニックネットワーク、光ファイバー 、光スイッチ、光回路


光回路の設計・解析