鹿児島大学 大学院 理工学研究科 工学専攻 電気電子工学プログラム 電気エネルギー工学分野
修士論文・卒業論文概要(令和7年度)
研究 No.1
| 題目 |
スロット高調波を利用した誘導電動機機速度センサレスベクトル制御
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| 概要 |
誘導電動機の速度センサレスベクトル制御技術は,センサを用いた場合に比べ,コストやメンテナンスの点で優れており,産業界でも実用化されている。しかし誘導電動機の速度センサレスベクトル制御は,低速度領域において一次電圧の低下により速度・トルク制御が困難になるという欠点がある。そこで本研究では,固定子電圧に高周波信号を重畳することにより低速でも固定子電流中に強く現れるスロット高調波を用いて回転子速度を推定し,この推定速度を用いて低速領域における速度センサレスベクトル制御を実現することを目指している。
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研究 No.2
| 題目 |
高周波交番電圧重畳に基づいたIPMSM位置センサレス制御
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| 概要 |
回転子界磁に永久磁石を使用する埋込磁石同期モータ(IPMSM: Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)のトルク制御には,回転子位置に応じた電流制御が必要であり,回転子位置を検出するために通常はエンコーダやレゾルバ等の位置センサが用いられる。この位置センサを除去できれば,IPMSM駆動システムの小形化,軽量化,低価格化が実現するとともに,信頼性も向上できるため,IPMSMの位置センサレス制御が望まれている。位置センサレス制御の一手法である高周波電圧重畳法は,駆動用の交流電圧に高周波交流電圧を重畳し,回転子位置への依存性を持つ高周波電流応答を観測してIPMSMの回転子位置を推定する手法である。本研究では,位置センサレスIPMSM駆動システムにおける高周波電圧重畳法について研究を行っている。[1],[2]
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研究 No.3
| 題目 |
IPMSM駆動システムの高出力・高効率化
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| 概要 |
IPMSMは高出力密度や高効率といった特長を持つため,体積あたりの出力が求められる自動車や電気鉄道への普及が進んでおり,容量ベースで現在のモータ総生産量の7割を占めるほどである。IPMSMの効率を2%改善すると川内原発1基分の電力削減が見込めるため,更なる高効率化や高出力密度化は喫緊の課題である。本研究ではIPMSMの出力密度や効率を制御の側面から改善する方法として,IPMSM駆動システムの高出力化や高効率化を実現するための制御法について研究を行っている。[3],[4]
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研究 No.4
| 題目 |
電気二重層コンデンサにより回生機能を強化した電流可逆チョッパ付PWMインバータ
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| 概要 |
電気自動車等において電動機をバッテリで駆動する際,坂道を下るときや,ブレーキをかけたときに発生する回生エネルギーは,高価な高性能バッテリの寿命を考慮して抵抗で消費されることが多い。そこで,本研究では電流可逆チョッパ付PWMインバータで表面磁石同期モータ(SPMSM:Surfuce Permanent Magnet Synchronous Motor)を駆動する際,バッテリと変換器の間に電気二重層コンデンサを配置することで,バッテリに負担を掛けることなく回生エネルギーを回収し,システムの高効率化を進めている。
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研究 No.5
| 題目 |
巻線形誘導発電機を用いた風力発電システムにおける発電電力変動の抑制法
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| 概要 |
本研究では,巻線形誘導発電機を用いた風力発電システムにおいて短期的な出力変動を抑制する制御方式の検討を行っている。次同期・超同期動作における定常状態及び,回転速度を変動させた場合の過渡状態について検討を進めている。
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研究 No.6
| 題目 |
防霜ファンを用いた発電システムの検討
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| 概要 |
鹿児島県は,静岡県に次ぐ全国第2位のお茶の生産量を誇る県であり,少し山合いに入ると防霜ファン群をあちこちで目にすることができる。この防霜ファンが実際に稼働する日数は年間20日程度であり,それ以外の340日程度は空転している状態である。多くの防霜ファンにはかご形三相誘導電動機が用いられている。本研究では,このかご形三相誘導電動機を小電力の発電に利用することを目的としている。
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研究 No.7
| 題目 |
多重チョッパを介してコンデンサを接続した瞬時電圧低下補償装置
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| 概要 |
送電線への落雷などにより停電や瞬時電圧低下が発生すると,負荷側の精密機器やコンピュータシステムが誤動作または停止してしまうことがあり,この対策として,鉛蓄電池を用いた無停電電源装置やコンデンサを用いた電圧補償装置が用いられている。コンデンサは,鉛蓄電池と比較してエネルギー密度が低く,急速充放電が可能で,鉛を使わないため環境に優しいなどの長所がある。本研究では,瞬時電圧低下補償装置の小形化,低コスト化を目指し,蓄電要素に電解コンデンサを用い,チョッパ部を多重化した装置の検討を行っている。
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研究 No.8
| 題目 |
マトリックスコンバータの空間ベクトル変調法
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| 概要 |
マトリックスコンバータは,商用交流電圧を振幅可変,周波数可変の交流電圧に直接変換する変換器であり,従来の整流回路−インバータシステムに比べて,EMI,効率,変換器体積等の点で優れていることから,現在,盛んに研究が進められている。本研究では,マトリックスコンバータの空間ベクトル変調法におけるパルスパターンの解析,改善を行っている。
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研究 No.9
| 題目 |
単相マトリックスコンバータを用いた瞬時電圧低下補償
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| 概要 |
一般に単相マトリックスコンバータは,コンデンサを用いなければ入力電圧が零になる付近で電圧を出力できない。しかし,瞬時電圧低下補償への応用では,入力電圧が零の付近では出力電圧も零でよいので,前述のコンデンサを必要としない。本研究では,単相マトリックスコンバータを用いた瞬時電圧低下補償装置について検討を進めている。
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