研究テーマ

電力機器用超伝導線材・導体の特性評価に関する研究

高温超伝導大型導体の基礎電磁特性評価

 超伝導機器の実用化研究に資するために、高温超伝導大型導体の種々の特性評価が可能なコンパクトな装置を開発し、導体の電磁特性を評価しています。 開発した装置は、試料導体に最大約1.5Tの直流磁界を印加でき、また超伝導電流トランスを用いることで、50A程度の小容量電源で1kA級の交流電流を通電することができます。試料導体は電流トランスの2次側巻線に接続しますが、種々の導体の特性評価を行うためには、電流トランスと試料導体との接続方法について検討する必要があります。我々は、ベーク板で試料導体を挟みネジ留めする方法を接続部に採用することで、電流トランスと試料導体とを、簡便で繰り返し低抵抗で接続可能な接続を実現しています。現在この装置を活用し、種々の超伝導大型導体の通電特性の評価を行っています。

図:超伝導大型導体の特性評価装置

図:電流トランスと試料導体との接続部の概略図

ピックアップコイルによる超伝導線材の電流分布測定

 電力用超伝導機器の実用化のためには、機器に用いられる線材の電流分布特性の定量的な把握も必要です。本研究室では、数10個の極小サイズのピックアップコイルで構成されるコイル群を用いて、試料線材内の電流分布特性を簡便にかつ定量的に評価できる非接触測定法の確立を目指しています。ピックアップコイルは、40μmの極細銅線で整然と巻線されたものを使用しています。現在、低損失化のために細線化されたY系線材の電流分布特性について調べています。

図:電流分布非接触測定に用いるピックアップコイル群